インド自動車業界の変革期。環境汚染対策BS6とEVの本格導入

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2019年3月、国際環境保護団体「グリーンピース」と、大気汚染の実態を監視する民間機関「エアビジュアル」が発表した、2018年における世界3000都市の空気の汚染状況を調べた調査によると、ワースト10都市のうち7都市がインドだった。

日本の自動車産業にとっても主要な海外市場であるインドでは、人口増加や国民の平均所得上昇に伴い、自動車の販売台数が堅調に推移してきた。これまで人気だった小型車以外にも、高級外車やSUVを始めとする中・大型車の人気も高まるなど、今後も自動車の販売台数増加に期待が高まる。

一方で、販売台数に比例して深刻化する大気汚染などの環境汚染問題に対し、インド政府は排ガス対策に乗り出している。

ここでは、自動車産業に大きな変化をもたらしている、インド政府の排ガス対策について解説する。

インド政府が押し進める排ガス対策BS6と自動車のEV化

現在、インド政府が強く打ち出している排ガス対策は、新排ガス基準「BS6(バーラト・ステージ6)」の導入、およびEV車の開発・販売を後押しする政策の2つがあげられる。

2020年に新排ガス基準BS6導入を決定

インド道路交通省は2016年2月、従来よりも厳しい排出基準「BS6(Euro5に相当)」を2020年4月から適用することを発表した。具体的には、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を、 ガソリンエンジン車では約25%、ディーゼルエンジン車では約70%削減することが求められる 。この時点で、欧州でEuro5が適用された時に比べ、BS6に対する準備期間は短い。

BS6に対応するため、各自動車メーカーは、ディーゼルエンジンの改良や排ガス処理技術の改善などへの早急な取り組みが求められた。石油会社は、そのエンジンに見合う、硫黄含有量の低いディーゼル燃料の開発などが求められてきた。2018年10月には、インドの最高裁判所が、2020年4月1日からはBS6に適合しない車両の販売を禁止するとの判断を下している。

EV製造ハブに向け、充電ステーションやEV車投入が進む

インド政府は、2030年までにインド国内の車を100%電気自動車(EV)に移行させる意向を示している。2017年、当時の運輸大臣が上記声明を発表したことが、世界中で話題となった。当時はイギリスとフランスでさえも、2040年を目標に掲げており、多くの人が実現不可能な目標だと取り合わなかった。
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