急速なデジタル化がインドEコマース市場を牽引

インド Eコマース
インドのオンラインショッピング利用者は、2018年には1億2000万人に達し、2025年にはほぼ倍の2億2000万人に到達すると予想されている。

日本を追い抜くように、急速に進むインドのデジタル化は目覚ましい。英ロンドンを本部とする、世界4大会計事務所・総合コンサルティングファームの1つであるPwCによると、インドは、2025年までに1兆米ドル(約107兆円)のデジタル経済国になると言う。この動きは国内総生産の10%、総雇用の8%を占めるインド最大の産業である小売業にもポジティブな影響を与えていくと考えられ、Eコマース市場のさらなる成長が予測されている。

インドEコマース市場を取り巻く環境

このようにデジタル化が進む中、2018年には、オンライン小売が小売市場の約3%の売り上げに達した。全体から見ると、まだまだ小さな数字ではあるが、インド商工省が設立した財団India Brand Equity Foundation(IBEF)によると、インドは2034年までに米国を抜き、世界で2番目に大きいEコマース市場になることが予想されている。それゆえ、今後の同市場への期待は大きい。

2019年度、Eコマース市場の収益は320億米ドル規模に

インドのIT業界団体Nasscomによると、2019年度のインドEコマース市場の収益は385億米ドル(約4兆円)に達する見込みであることがわかった。

また、インド小売業界のホームページであるIndiaretailing.comによると、現在、Eコマース市場は、49%のシェアを持つエレクトロニクスカテゴリに続き、アパレルとライフスタイル(フットウェア、バッグ、ベルト、財布、時計、宝飾品など)が25%を占めているという。

アパレルおよびファッション業界でのEコマース市場への参入は、消費者が購入前に試着を求めることからインドでも難しいとされていたが、各社が代金引換や手軽な返品・交換システム、割引などを実施するようになり、消費が活気づいている。今後も成長が見込まれている分野であり、参入企業数が増えるにつれて競争も激化する見込みだ。

日系企業に関しても、このEコマース市場の拡大やトレンドを取り込むことで、当地での販売チャネルを獲得し、ビジネスチャンスの拡大に繋げていけることが考えられる。現在のEコマース市場の成長の波に初期段階で乗ることが出来れば、その成長の後押しを受けて、当地でのビジネスをさらに拡大させられる可能性もあると言えるだろう。

インド政府施策もEコマース市場を後押し

インドでは、2018-19年の連邦予算で、さらなるデジタル化を進める指針を打ち出しており、デジタル環境の整備や外資規制の緩和なども進めている。

具体的な環境整備の施策の一つが、政府主導のブロードバンド普及プロジェクト「BharatNet(バーラトネット)」だ。約12億4000万米ドル(約1333億円)を割り当て、国内各地の村にブロードバンドサービスを提供している。政府は同プロジェクトを続けることで、農村世帯に約2~20 Mbpsのブロードバンド接続を提供することを目指している。

インド国内でのスマートフォン普及率の上昇、4Gネットワ​​ークの整備、消費者給与水準の上昇により、インドのEコマース市場は、2017年の385億米ドル(約4兆円)から2026年には2000億米ドル(約21兆円)にまで成長すると予測しており(インド商工省が設立した財団IBEF調べ)、本施策はEコマース市場を後押しするキードライバーとなる。

また、外資規制緩和では、BtoB市場に限り、同市場への外国直接投資(FDI)の制限を、最大100%に引き上げている。Eコマース分野への外資企業の参入を増やすことが狙いだ。

このほかにも政府は、Digital India、Skill India、Startup India、Make in Indiaなど様々なイニシアチブで、Eコマース産業の成長を多面的に支援している。
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