インドの外食事情と進む日系企業の外食産業進出

インド 外食産業
インドにおける外食産業はここ数年で目覚ましく変化している。

当地に住み始めてみて驚いたのは、インド人は家付きの料理人を雇い、毎食自宅でインド料理を食べている人が多いことだ。一方で、都市部では核家族化や共働きといったライフスタイルの変化に伴い、コンビニエンスストアやデリバリー、レストランを活用して手軽に、そして安心に外食を楽しむインド人も増加している。

この変化に伴い、近年では、外食産業においてイタリアンや中華、タイやベトナム料理など様々な選択肢が見られるようになった。もちろん、日本食が食べられるレストランもデリー近郊では増えている。

そこで今回は、インド外食産業の市場規模、多様化するインド人の食文化と共に、インドに進出する日系外食企業の動向についても紹介していく。

インドの外食産業は成長傾向

インド商工会議所連盟(FICCI)とPwCが発表した2018年度のレポートによると、インドの外食産業は、過去5年間にわたって一貫して成長を遂げているという。この成長は、主に消費者のライフスタイルの変化と、個人所得の上昇によるものだと分析している。

当地の外食産業における消費は、2013年から2017年の間に年平均成長率8%を記録した。この数値を周辺アジア諸国と比較してみると、同時期の年平均成長率は、韓国で3.6%、中国で6.1%だった。インドの成長率の高さが読み取れる。

カジュアルダイニングが人気、雇用の創出も

外食産業の売上高をセグメント別に見てみると、2017年のカジュアルダイニングセグメント(*1)は、業界で最も収益性が高く、総収益は581,000百万ルピー(約8830億円)だった。これは、業界全体の55%に相当する。
(*1)カジュアルダイニングとは、 外食産業の業態の一。酒類も提供され、通常のファミリーレストランより高級感をもたせたものをいう。(大辞林 第三版より)

簡易サービスレストランとファーストフードのセグメントは、同年の総収益が215,000百万ルピー(約3270億円)で、業界の20%を占めた。利用者層としては、他国同様、若い世代が多く見られた。

また、アルコール飲料セグメントは、外食産業の収益と雇用に大きく貢献していることが分かった。小売業の総職数の5%にあたる、約374,000件の仕事を創出しているのだという。

今後も外食産業の成長は加速することが予測されており、2017年から2022年までの5年間では、年平均成長率10%を見込んでいる。こちらについても、同時期の韓国と中国の年平均成長率と比較してみると、それぞれ3.6%と4.4%と予想されている。今後の成長率についても、他のアジア諸国に比べて高いことが分かる。
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