世界が注目するインド市場への投資の魅力と日系企業のインド投資状況

インド 投資
インドは、ここ数年のGDP成長率が平均7%前後と高いことから、世界中のビジネスパーソンが、その経済動向を注視している大国である。

人口動向においても、国連の報告によると2027年に中国を抜いて世界一の人口となり、その数は現在の約13億人から、2050年には約16億人にまで増えるとされている。加えて、在インド大使館によると、世帯可処分所得が5千ドル以上35千ドル未満(約54万円以上380万円未満)の中所得者層と呼ばれる人たちが、2000年には全体の4%だったが、2030年には50%以上となると予想されている。

このような背景から、今後の消費需要が活発になることが予想されているインド市場では、その潜在需要を取り込もうと、日系企業は現地法人を設立するなどしてインドに進出してきた。そのほか、当地の優良企業、ベンチャー企業に投資するなどして、ビジネスを拡大させている日系企業も多く見られる。

本記事では、現在のインドへの海外直接投資(FDI)について触れた後、日系企業のインドへの投資状況について見ていきながら、インドを投資市場として捉えた際の魅力などを紹介する。

インド、世界における海外直接投資(FDI)の状況

インドへの世界各国からの期待が見て取れるのが、海外直接投資(FDI)だ。昨年、2018年度におけるFDIはどのような状況だったのかを調べた。

2018年度、インドはシンガポールから最大のFDI(162億3,000万米ドル、約1兆7580億円)を受け取っており、その後はモーリシャス(80億8,000万米ドル、約8750憶円)、オランダ(38億7000万米ドル、約4200億円)、米国(31億4,000万米ドル、約3400億円)、日本( 29億7000万米ドル、約3220億円)と続く。

また、国連の報告書によると、2018年度のインドにおけるFDIは、製造業、通信業および金融サービス業、そして国境を越えた合併および買収活動(M&A)により、2017年度より6%多い420億米ドル(約4兆5600億円)だった。

2019年6月、国連貿易開発会議(UNCTAD)が発表した世界投資報告書2019によると、世界のFDIは3年連続で減少しており、2018年度は、2017年度の1.5兆米ドル(約163兆円)から13%減少し、1.3兆米ドル(約141兆円)だったという。

このことから、インドは世界の減少傾向に反して、多くのFDIを呼び込めていることが分かる。

M&A増加、主に電子商取引と通信分野で

このインドへのFDI流入額をセグメントごとに見ていくと、国境を越えたM&Aが増加していることが分かっている。金額にして、2017年の230億米ドル(約2兆5000億円)から2018年には330億米ドル(3兆5840憶円)へと成長しており、主に電子商取引と通信を含む小売取引によるものだったという。

中でも注目すべきは、インド最大の電子商取引プラットフォームであるFlipkartが、米大手流通小売業者であるウォルマートに、160億ドル(約1兆7400億円)で買収された案件だ。さらに、英通信大手のボーダフォンや、米通信大手のアメリカンタワーなどによる案件も含めると、電気通信分野での取引額は、20億米ドル(約2170億円)に達している。

レポートでは、伝統的には、FDIにおける上位20の対外投資国ではないインドとUAEだが、2019年から2021年においては、FDIのトップ10入りを果たす重要な国へと成長するだろうとしている。
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