最新レポート:急成長するインドの旅行・観光産業 【中編】

インド人観光客の日本への誘致

前編では、インド国内における観光産業の現状やインド人の最新の旅行トレンドについてまとめた。今回は視点を変えて、インバウンド市場としての日本がインド人旅行者にとってどう見えるのか、日本がインド市場に対してどのようなインバウンド戦略を立てていくべきかをまとめた。

インド人から見た日本は「友好的な技術先進国」

新幹線
インド人旅行者にとって、日本という国はどのように映っているのだろうか。

外務省の調査によると、日本と「友好関係」を築けている、「どちらかというと友好関係」を築けている、と答えたインド人が回答者の9割以上となり、友好関係にあると評価していることが分かっている。これは、2005年以降、ほぼ毎年、両国の首脳が交互に互いの国を訪問し合い、首脳会談を実施しているなど政治的観点からも読み取れる。

JTBによると、インド人は日本に対して、技術先進国としての印象を強く抱いているという。また、戦後一貫して平和国家の道を歩んできた国、豊かな伝統と文化を持つ国などのイメージも持っているとしている。

関心事としては、経済、科学技術、企業などのビジネスにまつわる分野が強く、日本文化については、生け花、茶道、伝統芸能に関心があると指摘している。

インド人訪日旅行の現状

インドからはどのぐらいの観光客が日本を訪れるのだろうか。観光庁がまとめた資料によると、2019年のインド人訪日数は18万人(推計値)。インドからのアウトバウンド数全体に占める割合は0.7%と、日本はかなりニッチな旅行先と言えるだろう。

一方、 訪日外国人の旅行者数の割合を国別で見ると、中国と韓国の2カ国が全体の約半数を占め、以下東南アジア諸国、欧州主要諸国が続き、その後にインドが来るという順になっている。全体の割合でいうとインド人訪日客は0.5%と、やはりここでも存在感が薄い。

インド人向け訪日プロモーションにおける一番の課題は、何よりも旅行先としての認知度の低さだろう。しかし、日本もこの潜在力の高いインド人インバウンド市場を手付かずのままにしているわけではない。日本政府観光局(JNTO)は、2017年にインド・ニューデリーに現地事務所を立ち上げたばかりだ。今後は官民一体となった訪日観光プロモーションがより盛んになるとみられる。
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