新型コロナ感染拡大下におけるインド企業の働き方とは?

コロナ禍における日印の働き方と採用状況①

新型コロナウィルスの感染拡大により、日本だけでなく、世界中で働き方は変化しています。13億人という人口を抱える大国インドも例外ではなく、2020年3月25日にインド政府がロックダウン(都市封鎖)を発令し、これにより食料品店などのエッセンシャルサービス以外の職についている人は、オフィスへの出勤すらすることが難しくなり、強制的に自宅からリモートワークをせざるを得ない状況が続きました。

そして、この数カ月のリモートワークにより、インドで働く人々の「働き方」に対する意識は、以前と比べて明らかに変わってきています。例えば、新型コロナウィルスの感染拡大前のインドのホワイトカラー職の多くは、車やバイク、タクシーまたは公共交通機関を使ってオフィスに行き、日中は仕事をして、終わり次第帰宅するというのが一般的ですが、インドは都市部を中心に通勤・帰宅ラッシュ時間帯には渋滞が発生することが多々あり、通勤時間に多くの時間が割かれてしまうことが一般的でした。

しかしながら、新型コロナウィルスの影響で、リモートワークが強制的に浸透してきた中で、明らかに人々の「働き方」に対する心理的変化が出てきています。

一つ事例を紹介します。2020年5月末に、弊社(インフォブリッジ社)の主催で、インドの若者をスピーカーとして迎え入れたオンライントークイベントを実施しました。テーマは、新型コロナウィルスによる生活の変化というもので、その中で「働き方」についても議題に取り上げました。その中でスピーカーの方々から出た意見を紹介します。

「強制的にリモートワークしかできない状況下でもプロジェクトを進める必要があり、最初は不安だったが、進めている内に、自分のようなホワイトカラー職の業務は基本オンライン化ができてしまうことに気づいた。」(営業職・IT)

「今後は在宅勤務がニューノーマルとなり、高い賃料を払うオフィスをわざわざ借りる必要がないということに気づいた。」(営業職・教育)

「オフィス勤務がなくなることで、通勤時間の短縮が可能になる。それにより家族との時間など、プライベートで有意義に使える時間が増え、仕事の生産性も上がった。」(人事職・不動産)
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