最新レポート:急成長するインドの旅行・観光産業 【後編】

コロナによる打撃とコロナ後のニューノーマル

コロナ後の最新トレンドは、VRを活用した事前体験

インドにおけるコロナ後の旅行トレンドについてまとめると、自己管理がしやすくローリスクで、健康を意識した旅行のスタイルが主流になることが分かった。しかし、より長期的視点でニューノーマルとなりつつあるトレンドは何か。

それは、 VRを活用したバーチャル旅行体験である。ロックダウン期間中の在宅勤務やオンラインでの食料品の買い物などを通して、人々のインターネットとの向き合い方は一段と密接になった。巣篭もりが続く中、人々が鬱屈した気分を晴らすため、ソーシャルメディアをはじめネット上のコンテンツを消費する時間も増加している。VRは自宅にいながら旅行に行った気分を味わえ、実際に旅行を手配する前の情報集めのソースにもなる。

調査会社GlobalDataが今月発表したレポートによると、VRを活用した旅先のコンテンツ提供は旅行手配における重要なプロセスの一部になるという。先行きの見通しが立たない中で、モノやサービスを購入する前にまずはお試しを利用するという消費行動が優勢になりつつある中、そのようなサービス・機能を備えた旅行オペレーターやオンライン予約サイトは今後有利になるだろうと説明する。

ハイデラバードに拠点を置くスタートアップのQuaQua は、世界でいち早く旅先のVRコンテンツ提供を始めたオンライン予約サイトだ。2016年に設立され、現在250万人いるユーザーベースは100カ国以上にまたがる。Insights Sucess紙による2020年度の「インド最優良トラベルテック企業」アワードも受賞しており、6月2日にはベンチャーキャピタルから100万ドルの資金調達を行ったと発表した。QuaQua は、今後の新しい旅行手配のカタチを示していると言えるだろう。

まとめ

本シリーズでは前編・中編・後編にわたって、異なる視点からインドの観光業界の現状を取り上げた。足元では暗いインドの観光産業も、中間層の経済成長が著しいインドでは中長期的に大きく成長するのは間違いない。これからの旅行・観光産業がどのような変貌を遂げるのか、今後も注視していく価値がある。
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