ついに!念願の配当分配税DDT廃止にともなう日系企業への影響

インド新時代の礎を築く最新の税務戦略に学ぶ ②

長きにわたって指摘されてきた不可解な二重課税

モディ首相
2020年4月1日より、インド企業が分配する配当金への課税については、従前の「配当分配税(DDT:Dividend Distribution Tax)」が廃止される代わりに、源泉徴収税(TDS : Tax Deducted at Source)による課税方式が導入されました。従前の課税方式では、法人税を支払った後の税引き後利益から、さらに配当分配税(DDT)を追加で納税しなければならず、この不可解な二重課税がこれまで長きにわたって外資系企業により指摘されてきましたが、2020年度インド国家予算案の発表によりそれが解消されることとなったわけです。これによりインドに進出する外資系企業にとって、株主への利益配分を効率よく実施することができるようになり、インドへの投資環境は資金還流の観点からはある程度の改善がされたと言って差し支えないと思います。

今後配当の支払時に適用される課税方式とは?

なお、上記の予算案を基に施行された2020年財政法(Finance Act, 2020)によると、配当金への課税方式は株主が(1)非居住者、(2)インド国内企業、(3)インド居住者、かによって異なります。在インド日系企業の株主の多くは親会社たる日本法人であり、つまり(1)非居住者に当たりますが、この場合には同法において、1961年インド所得税法(The Income Tax Act, 1961、以下“インド所得税法”という)第195条に規定されていた配当金に対する源泉徴収義務の免除規定が削除され、配当金に対しては、原則、源泉所得税率20%(に加えて課徴金及びサーチャージ)がインドからの海外送金時に課税・徴収されることとなります。
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