インドの再生可能エネルギー事情

環境汚染問題がグローバルに言われて久しい中、現在のインドは“大気汚染が酷い国”という汚名に苦しんでいる。本記事では、環境汚染問題への対策として再生可能エネルギー事業や天然ガス活用に奔走するインドの現状を紹介したい。
2019年3月、国際環境保護団体「グリーンピース」と、大気汚染の実態を監視する民間機関「エアビジュアル」が発表した、2018年における世界3,000都市の空気の汚染状況を調べた調査によると、ワースト10都市のうち7都市がインドだった。インドは経済成長真っただ中の国であり、特に自動車をはじめとした製造業の成長が目覚ましい。世界の自動車産業をリードしている日本の自動車メーカーは、インドでスズキが過半数のシェアを獲得しているなど、インド市場において優位性を保っている。
2019年3月、国際環境保護団体「グリーンピース」と、大気汚染の実態を監視する民間機関「エアビジュアル」が発表した、2018年における世界3,000都市の空気の汚染状況を調べた調査によると、ワースト10都市のうち7都市がインドだった。インドは経済成長真っただ中の国であり、特に自動車をはじめとした製造業の成長が目覚ましい。世界の自動車産業をリードしている日本の自動車メーカーは、インドでスズキが過半数のシェアを獲得しているなど、インド市場において優位性を保っている。
インドの再生可能エネルギー産業
インド政府は、再生可能エネルギーの活用と推進を目指して新再生可能エネルギー省(MNRE) を設置している。
MNREが公開している最新レポートによると、インド国内の再生可能エネルギーの累積容量は、2014年度の3万5,500メガワットから2018年度には7万メガワットにまで増加している。2022年度までには17万5,000メガワットととすることを目標に掲げる。その内訳としては、洋上を含む風力発電、太陽光発電、小型水力発電、地熱発電などを挙げる。
ここでは、インド政府が特に力を入れている、風力発電と太陽光発電に焦点を当てて紹介する。
MNREが公開している最新レポートによると、インド国内の再生可能エネルギーの累積容量は、2014年度の3万5,500メガワットから2018年度には7万メガワットにまで増加している。2022年度までには17万5,000メガワットととすることを目標に掲げる。その内訳としては、洋上を含む風力発電、太陽光発電、小型水力発電、地熱発電などを挙げる。
ここでは、インド政府が特に力を入れている、風力発電と太陽光発電に焦点を当てて紹介する。
風力発電
MNREによると、風力発電による発電量は、2014年度には2万1,000メガワットだったが、2018年度には3万4,000メガワットを達成しているという。
世界6大陸に拠点を構えるエネルギー部門の研究機関ブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンス(BNEF)によると、インドは、昨年よりも多くの風力発電設備を2019年に設置する可能性があるという。しかし、その発電量は以前よりもはるかに低い。インドは、2018年度の2.3 ギガワットに対して、2019年度には2.9ギガワットを設置する予定だ。2017年度には5.4 ギガワットが追加され、2016年度には3.4 ギガワットが達成されている。
BNEFの担当者は「2019年から2022年の間に15.6 ギガワットの新しい風力発電プロジェクトが追加されると予想される。したがって、インドは2022年までに51 ギガワットの風力発電容量に達し、2022年までに60 ギガワットの陸上風力プロジェクトを追加するという目標に対しては、9 ギガワット少なくなるだろう」という。
そして、ブルームバーグの予測では、主にタービンメーカーの不足、財政的ストレス、土地取得の問題、グリッド接続の遅れに起因して、各プロジェクトが遅延する恐れを示している。同担当者は「2020年半ばまでに委託されるはずだった多くのプロジェクトは、9~10か月遅れることになるだろう」としている。
プロジェクトの入札においては、2019年8月までに5.2 ギガワット分が実施されたが、BNEFによると、開発者の関心がないために2.9 ギガワットのみが落札されたという。最近の入札でも参加率が低く、継続的な延期につながっているという。
インド再生可能エネルギー省のノード機関であるインドのソーラーエネルギーコーポレーション(SECI)が実施した最新の風力発電に関する入札では、2社の事業者のみが参加した。入札の元のサイズは1,800メガワットだったが、割当ては440 メガワットに削減されている。
インド政府の再生可能エネルギーを推進したいという思いとは裏腹に、風力発電事業においては厳しい状況があるようだ。
世界6大陸に拠点を構えるエネルギー部門の研究機関ブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンス(BNEF)によると、インドは、昨年よりも多くの風力発電設備を2019年に設置する可能性があるという。しかし、その発電量は以前よりもはるかに低い。インドは、2018年度の2.3 ギガワットに対して、2019年度には2.9ギガワットを設置する予定だ。2017年度には5.4 ギガワットが追加され、2016年度には3.4 ギガワットが達成されている。
BNEFの担当者は「2019年から2022年の間に15.6 ギガワットの新しい風力発電プロジェクトが追加されると予想される。したがって、インドは2022年までに51 ギガワットの風力発電容量に達し、2022年までに60 ギガワットの陸上風力プロジェクトを追加するという目標に対しては、9 ギガワット少なくなるだろう」という。
そして、ブルームバーグの予測では、主にタービンメーカーの不足、財政的ストレス、土地取得の問題、グリッド接続の遅れに起因して、各プロジェクトが遅延する恐れを示している。同担当者は「2020年半ばまでに委託されるはずだった多くのプロジェクトは、9~10か月遅れることになるだろう」としている。
プロジェクトの入札においては、2019年8月までに5.2 ギガワット分が実施されたが、BNEFによると、開発者の関心がないために2.9 ギガワットのみが落札されたという。最近の入札でも参加率が低く、継続的な延期につながっているという。
インド再生可能エネルギー省のノード機関であるインドのソーラーエネルギーコーポレーション(SECI)が実施した最新の風力発電に関する入札では、2社の事業者のみが参加した。入札の元のサイズは1,800メガワットだったが、割当ては440 メガワットに削減されている。
インド政府の再生可能エネルギーを推進したいという思いとは裏腹に、風力発電事業においては厳しい状況があるようだ。