インドの再生可能エネルギー事情

太陽光発電

MNREによると、太陽光発電による発電量は、2014年度には2630メガワットだったが、2018年度には2万2,000メガワットを達成している。

米国の再生可能エネルギーに関するコンサルティングを行うMercom Capital Groupのインド子会社、Mercom Communication India が2018年9月に発表した調査によると、インドの太陽光発電設備は、2019年第2四半期は前年同期比14%減の1510メガワットだった。この減少は、屋上太陽光発電設備の減速などに起因すると考えられている。

2019年上半期に追加された総電力容量は、インドのすべての発電源のうち8 ギガワットだった。このうち、再生可能エネルギー源の設備は58%近くを占め、太陽光発電は41%を、風力は15%を占めた。しかし、依然としてインドでの石炭需要は高く、石炭は追加された新容量のほぼ42%を占めている。

また、Mercom India は、インドが2019年に8 GWを超える太陽光発電設備を設置することを期待している。レポートでは、現在の市場力学に基づき、2022年末までにインドの太陽光発電設備が約70 ギガワットに達すると予測している。

ただし、政府機関によって課される関税の上限は、インドでの太陽光発電の落札活動を減速させていると指摘する。そのほか、太陽光発電の事業者にとって、同国での土地の取得、安定した送電、および各種承認の取得は、大規模なプロジェクトを期日どおりに推進するにあたり、課題となっているという。また、事業者らは、気象条件の急激な変化が起きた場合、発電可能な電力量の予測のほか、料金予測に懸念を示しているという。

その中でも最大の懸念事項は、電力購入契約(PPA)の再交渉が行われることだと付け加える。具体的には、アンドラ・プラデシュ州政府による太陽光および風力発電のPPAの再交渉と再検討の動きが見られ、業界や投資家を揺るがせた。

CNG燃料など天然ガスの活用が進む

インドでは、化石燃料としては石油に代わるCNGなどの天然ガスの活用が進んでいる。

CNG(compressed natural gasの略称、圧縮天然ガス)とは、天然ガスを気体のまま高圧で容器に貯蔵したものを指す。天然ガスは、化石燃料の中でも二酸化炭素(CO2)の排気量が最も少ないほか、煤塵、SOx(一酸化硫黄(SO)・二酸化硫黄(SO2)など硫黄酸化物の総称)の排出もほとんどなく、燃料制御性の良さによりNOx(一酸化窒素(NO)・二酸化窒素(NO2)など窒素酸化物の総称)の低減も行いやすいのが特徴だ。そのため、世界的に見て、石油に代わるクリーンエネルギーとして、天然ガス自動車の燃料をはじめ、非常時の都市ガス需要、コージェネレーションシステムのガスエンジン予備燃料など、さまざまな分野で導入が進んでいる。

インドにおいては、石油およびガス産業は同国の8つの中核産業の1つとして数えられる。経済成長はエネルギー需要と密接に関連しているため、石油とガスの必要性はさらに高まると予測されており、同産業への投資も多く見られる。

インド政府は、これらの増大する需要を満たすため、特に天然ガス、石油製品、精製所などでの100%の外国直接投資(FDI)を許可している。 これは、リライアンスインダストリーズ(RIL)とケアンインドの存在が証明するように、国内外の投資を集めている。

インドのガス産業における投資

インド商工省が設立した財団India Brand Equity Foundation(IBEF)によると、インドは2017年、日本、韓国、中国に次いで4番目に大きい液化天然ガス(LNG)の輸入国となっている。 LNGの輸入は、2016年度の24.48 bcmから2017年度には26.11 bcmに増加した。同国のガスパイプラインインフラは、2019年2月の初めには1万6226 kmとなっている。

産業内貿易政策推進部(DPIIT)が発表したデータによると、石油および天然ガス部門は、2000年4月から2019年3月までに70億1,800万米ドルのFDIを集めた。

以下に、天然ガスに関する案件をいくつかピックアップする。

•    2018年9月、グジャラート州政府は、オランダに拠点を置くエネルギーインフラストラクチャブタノ(アジア)BVの子会社であるエネルギーインフラストラクチャーリミテッド(EIL)を選択し、700億ルピー(約1058億円)を投資し、Okhaに液化石油ガス(LPG)ターミナルを設置した。
•    インド政府の石油天然ガス大臣であるダーメンドラ・プラダン氏によると、インドは2022年までに石油輸入への依存度を10%削減する目標を掲げている。そのため、外国投資家は、インドで3,000億米ドル(約32兆5,649億円)相当のプロジェクトに投資する機会を得られると予想されている。
•    石油・天然ガス公社(Oil and Natural Gas Corporation)は、2018年から2019年にかけて、石油およびガスの掘削に1,761億5,000万ルピー(約2,663億円)を投資するとしている。
•    2019年3月時点で、カナダのトロントに本社を構えるオルタナティブ資産運用会社のブルックフィールドは、1300億ルピー(約1965億円)で、東西パイプライン(EWPL)として知られるReliance Gas Transportation Infrastructureを買収する予定だ。
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