TCSって何?インド特有の税制TCSの概要と最新アップデート

インド新時代の礎を築く最新の税務戦略に学ぶ ⑥

インド特有の税制TCSについて

インドの経理担当者以外にはあまり馴染みのない話かもしれませんが、インドにはTCS (Tax Collected at Source)と呼ばれる源泉税があります。これは、特定の物品の売り手が顧客から請求代金を受領する際に、一定の割合を源泉所得税として追加徴収(collect)して納税を行う直接税の一種です。納税方法は間接税のGST(Goods and Service Tax:物品・サービス税) と同様に、物品の売り手が買い手から徴収し、税務当局へ申告・納税が行われます。

(※TCSおよびTDSの仕組みをわかりやすくご説明するために便宜上税額の計算を簡略化しており、実際の税額計算とは異なる点についてご留意ください)

 TCSに似た源泉税としてTDS(Tax Deducted at Source)があります。こちらも直接税の一種で、一定のサービス受益者が、ベンダー等への支払の際に一定の割合を源泉所得税として控除(deduct)し売り手に代わって納税を行う仕組みです。あまり違いがないように思えますが、TDSは源泉徴収義務者が買い手(=役務提供対価の支払側)であるのに対し、TCSの場合、源泉徴収義務者が売り手(=商品代金の受取側)である点において異なっています。会計上の実務においては、TCSは物品の売り手が顧客から受領したTCSを負債計上した上で、翌月7日までに顧客の代わりに納税し、一方で、顧客側では売り手に支払った当該TCSの金額を資産計上(前払法人税等)し、期末に未払法人税と相殺することが可能です。

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