え?海外送金に課税?インド居住者が知っておくべき海外送金実務

インド新時代の礎を築く最新の税務戦略に学ぶ ⑦

インドからの海外送金って大変?

「個人でインドから海外送金するのって大変なんでしょ?」そんな質問をよく受けます。インドで稼いだお金はどうやらそう簡単にはインド国外に持ち出せないらしい・・・、そんなイメージを持たれている方が多いようです。ただ、実際のところはそれほど大変ではありません。私も個人的によく海外送金をしますが、自宅にいながらオンラインでポチポチっとやるだけで簡単に日本の口座に送金できていますし、日本に一時帰国した際にはインド地場銀行が発行した国際デビットカードを使えばセブン銀行などを通じてコンビニでお金をおろすことも可能です。
 

最低限知っておくべき現状のルール

 とは言っても、好き勝手自由に海外送金ができるかと言うと“No“です。原則、私たちがインドで得ている税引き後の給与(net salary after deduction of tax)を上限として送金が可能というルールになっていて、それを超えて海外送金を実施する場合には承認取引銀行(AD Bank)を通じて確認をする必要があり、場合によってはインド準備銀行(RBI)からの事前承認を得る必要があります。ただ、現実的にはインドでもらっている給与以上に海外送金をしなければならないケースはほぼ発生しないので、一般的にはこのルールに則っていれば特に支障はありません。

また、インド準備銀行はインド居住者個人に対して送金自由化スキーム(Liberalised Remittance Scheme : LRS)を提供していて、以下のような取引および一部の資本勘定取引(外貨建て口座や海外不動産投資、海外への貸付など)については事前承認なしで年間250,000米ドル(約2,650万円)まで海外送金が可能となっています。つまり、インドルピーで高額な給与を得ている居住者であっても、税引き後給与および当該スキームの範囲内であれば自由に海外送金が可能という状況です。なお、当該スキームはあくまで「すべてのインド居住者(all resident individuals)」にのみ適用可能なため、会社やパートナーシップ、信託などの法人格においては利用できません。
1.プライベートの海外旅行資金(ネパールおよびブータンを除く)
2.ギフトや寄付金
3.雇用のための海外渡航資金
4.海外移住資金
5.海外在住の家族への生活資金
6.海外出張やカンファレンス参加、研修等にともなう出張旅費
7.海外での治療や健康診断にかかる費用
8.留学資金
9.その他
「インド市場を斬る」記事一覧へ

関連記事