インド企業の強み、日本にとってどうプラスにはたらく?

インドにおける日本企業のビジネスチャンスとは③

バンガロールの次に注目を集めているのはインド第二のIT都市と呼ばれているハイデラバードです。2019年8月にはAmazonが自社世界最大規模(15,000名の従業員を収容)のオフィスを設立。Microsoftがインドで初めて開発センターを設立したのもハイデラバードです。2016年には、Appleが2500万USDを投じてR&D施設を設置、2019年9月には中国のスマホメーカーOnePlusが約1億4000万USDを投資し、カメラ技術や5G通信、オートメーション技術を高めていくためのR&Dセンターを開設しました。上記に挙げた2都市だけではなく、プネやチェンナイなどの都市でも多くのR&D施設が設立されています。

なぜこのように多くの企業がインドにR&D拠点をオープンするのでしょうか?その最大の理由は人口ボーナスです。2018年の日本の出生数は91.8万人と、3年連続の100万人割れ。一方のインドは約2,500万人、実に日本の25倍超、毎年オーストラリアの総人口程度の赤ちゃんが生まれています。平均年齢も日本の47歳に対し、インドは27歳。全員が優秀な労働人材となるとはいえないにしても、人材の「量と質」は賄えるだけの世界有数の人口ボーナスを誇っています。

在日インド人の話になりますが、2020年9月にJETROが発表した調査によると、インド高度人材に対する日本企業の満足度は100%という結果でした。また、今後のインド高度人材の採用枠について、85.7%が「現状よりも採用枠を拡大するまたは現状の採用枠を維持する」といずれもインド高度人材に対して高く評価しています。

高度人材だけが優れた製品を開発できるのかといえば、そうとも限りません。インドで開発され、爆発的に売れた製品のひとつとして「鍵付き冷蔵庫」があります。もともとの開発は韓国企業で、韓国人が駐在員としてインドで生活し、現地法人のインド人とのコミュニケーションの中でニーズに気づいたというこの機能は、発売からわずか数年で「インドの冷蔵庫に鍵は当たり前」と言われるまでになりました。その理由はというと、中間層以上の家庭には必ずいるお手伝いさん(掃除や洗濯、料理など家事手伝いを仕事とするメイドさん)によるつまみ食いや盗みを防ぐため。この機能装備に日系家電メーカーは乗り遅れ、そのシェアを韓国メーカーが奪ったともいわれています。日本にいながらにして、この気づきはなかなか起きにくいと思います。インド現地の生活、インド人の価値観を理解した上での研究開発の重要性のわかりやすい事例ではないでしょうか。

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