インドにおけるデジタル課税とPE課税の関連性 ~MasterCard社の事例~

インド新時代の礎を築く最新の税務戦略に学ぶ ⑩

「平衡税」導入の背景と最新トレンド

国境を越えて世界経済を席巻するデジタル・ビジネスは、その課税管轄権を容易に超えてしまう取引の特性から、課税ルールを巡って国際的に議論が行われています。インドにおいても国内外の競争条件を公平にする目的で2016年にEqualisation Levy(以下、”平衡税”という)が導入されて以降、2020年にはその課税範囲が拡大されるなど、デジタル・ビジネスへの課税強化のトレンドが見受けられます。

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2020年8月に下されたMasterCard社のデリー高裁判決

2020年8月23日、国際電子決済サービス大手のMastercard社とインド政府との間において争われていたPE(恒久的施設)認定にかかるデリー高裁審決において、「インド国内にPEを有する非居住者が帰属所得について既にインドで納税している場合、当該所得に対する平衡税の課税は行われない」とした税務当局の見解が、国際税務に従事する関係者の注目を集めました。

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