インドものづくりDXに迫る!~日本の中小企業が知るべきデジタル化の波 Vol.2(後半)




【写真:Ethereal Machines 製品HALOと、セールス・ヘッド スミス・パティル氏】
 


【写真:Hoshitry Impact LLP 代表パートナー 阪口史保】

Ethereal Machines
は2014年にR.V.工業大学(R.V. College of Egineering)電子工学・通信科の卒業生であるKaushik Mudda氏とNavin Jain氏が共同創業し、2018年にラスベガスで開催された世界最大の見本市CES2018においてインド企業としては初めて“ベスト・オブ・イノベーション”を受賞した5軸3Dプリンターを開発しました。


また、日本でも2020年にけいはんな学研都市にあるATRによるスタートアップ企業支援プログラム、けいはんなグローバルアクセラレーションプログラムプラス『KGAP+』の支援企業として選出されています。*1


(※参照 Ethereal Machines資料より抜粋)

同社の共同創業者達はR.V.工業大学の学生であった当時、小型ロボットやホバークラフトを制作するためにより精緻な加工ができて手頃な価格の工作機械が無く、それを自ら作ろうと考えたことが製品アイデアのきっかけとなり、インド市場に普及している中国製品に代わるより信頼性の高いCNC加工機をリーズナブルな価格で提供するということにビジネスを見出し、5軸CNC加工機の開発が開始されました。


“5軸”CNC加工機とは、3次元のX軸(横)、Y軸(縦)、X軸(上下)に加えて半回転するA軸(※参照)と全回転するC軸(※参照)が同時に自動ツール切換しながら加工可能な工作機器で、非鉄金属(アルミニウム、銅、真鍮等)やプラスチック等を加工することができます。
高度なスキルを持つ熟練工を必要とせずに、5軸と自社開発したコントローラーにより高速で精緻な加工が可能であり、同社の独自設計によるコンパクトな機体により標準的なCNC加工機の3分の1という価格で、製品の開発から量産まで一台でこなすことができます。

実際に、同社の共同創業者達はインドの完全封鎖中に居ても立っても居られずに、迫りくる医療崩壊に対応すべく人口呼吸器用の回路スプリッターを開発し、試作を繰り返して10日間でプロトタイプを完成させました。同社のビジョンは、このようにものづくりに対する想いを形にしたいと願う全ての起業家のためのツールとして同社の製品を提供することです。

上記回路スプリッターを一例としてインプラント部品等の医療、電子部品、航空宇宙等の分野において新しい製品を開発・生産したいと考えている中小企業による『日本の技術』と、同社との連携がグローバル市場で展開可能な製品を生み出す可能性があります。

【5軸CNC加工機HALOによる微細加工:真鍮製眼鏡ヒンジ 5×15×25mm】
 
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