第2回:上手く行っているインドM&Aから学ぶ!

(3)各事例をひも解くと?

  • ここで挙げられている各企業や、小職がこれまでお手伝いしてきたインドM&A案件でその後も「上手く行っているなぁ」と思う事例をひも解くと、おおよそ下記のような事が言えそうだ。

  • 「いい人」と組む
    全く科学的ではない言い方で身も蓋も無いが、「いい人」と思える人と組むというのは鉄則だ。買収する相手先企業は、創業者・創業家のDNAがどっぷり注入されている。「いい人だ」と思える人が創った・経営している企業を買収するというのはインドに限らずM&Aの世界では実に重要だと思う。交渉の過程で、しっかりとコミュニケーションを取り、信用するに値する相手なのか?というのを見極めていく必要があると考える。
     
  • しっかりと支配する
    外為規制の関係でやむを得ない場合を除き、創業家等現地の資本はなるべく排除したい。創業家に引き続き経営に関与してもらう場合でも飽くまで資本は日本側が掌握し、経営を委任するという関係性をドライに構築する事が「こんなはずではなかった」を極小化する事に繋がる
     
  • 現地の人材を上手く活用する
    芝浦機械が現地法人のトップに据えているのは、買収した会社の当時の幹部、コクヨが買収した企業の現在のCEOは買収後ヘッドハントしてきたインド人といった具合に、適切に支配関係を構築した上で、現地の人材を上手く活用している。
     
  • 一見大変そうに思える、インド企業の買収を契機とした事業開発も上手く行っている(ように外形的に見える)事案には上記のような共通点が見出せる。これらの要素を「どうやって」実現させていくか、という点について、「困難に思える背景」と「そのソリューション」について次回もう少し深掘りしたい。

以上

執筆者



岡田 知也

株式会社マナスコーポレートパートナーズ(日本とインドのM&Aにフォーカスしたアドバイザリー会社)を2020年4月設立、代表取締役に就任。前職GCA(独立系M&Aアドバイザリー会社)時代、2009年9月から3年半、 GCAのインド事業立ち上げの為にムンバイに駐在。帰任以降も一貫して、足掛け10年日本企業によるインド企業への出資・買収に関するアドバイザリー業務に従事し、多数の日・印案件の成約に携わる。
「インド市場を斬る」記事一覧へ

関連記事