インドの酒類に関わる実情 ②

経済発展が目覚ましいインドのお酒市場



前回の「経済発展が目覚ましいインドのお酒市場」では日本酒の現状やインドのマーケットの捉え方をお伝えしました。今回は、「インドのお酒市場概要」からインドの酒類に関わる実情を掘り下げます。
 

インドのお酒市場概要


インドは世界で三番目に大きいアルコール市場です。人口の約46%に当たる6億人が飲酒年齢に該当し、現在350億ドルの市場は年率8.8%のペースで成長しています。(注1)
インドのアルコール消費量は2016年時点で54億リットルでした。 インドの一人当たりアルコール消費量は2005年から2016年の間に2.4リットルから5.7リットルと、倍以上に増加しています。
世界平均の消費量は2005年に5.5リットル、2016年は6.4リットルとなっており、インドは世界平均以下であるものの、その伸び率は上回っています(注3)。若年人口層の厚みや可処分所得の増加、都市部人口の増加など背景に、今後もアルコールの消費量は増えていくと予想されます。

インド=世界一のウイスキー消費国

インドでよく飲まれるアルコールは、英国植民地時代の名残からスピリッツ(ウイスキー、ウォッカ、ジン、ラムなど)が9割以上と圧倒的多数を占めます。スピリッツの中で最もよく飲まれるのは、ウイスキーで61.5%、次いでブランデー21.9%、ラム13.2%、ウォッカ2.4%と続きます(注5)。インドは世界のウイスキー消費量の48%%を占めるウイスキー大国です。
 
インドのアルコール飲料は製造形態別に大きく4つのカテゴリに分けることができます。消費量全体の48%を占めるのが、カントリーリカーというインドの伝統的な蒸留・精製方法で作られた地方ごとに特色のあるお酒です。次いで多いのが、IMFLと呼ばれる西洋式のスピリッツをインド国内で製造した国産の外国銘柄酒で、輸入酒より圧倒的に安いです。ビールが13%、輸入酒が3%と続きます。ワインの消費は都市部を中心に急成長しているが、全体の比率としては1%未満とまだまだ認知が低いです(注2)。



また、所得に比例して消費するアルコール飲料のタイプも異なります。上のグラフのように、ウイスキーやビールなどの外来酒を消費するのは、ごく一部の中上流所得層以上、特に都市部に限られます(注6)。
「インド市場を斬る」記事一覧へ

関連記事