日本で働くためにはどのぐらいの日本語能力が必要か?

(この記事は、日本で働くことを目指すインド人のための就職エージェントEIJ Careerのウェブサイトに掲載された記事を和訳したものです。)  



英語圏の国とは違い日本で働くためには、第一に、かつ最も努力しなければならないことは日本語の習得です。日本は、エンジニアとしての技術力よりも日本語能力が就職内定の可能性を大きく左右する国です。これは冷酷な現実です。というのも、多くの日本企業では一次選考の面接を人事担当者が行いますが、その人事担当者は英語力や技術的な知識を持っていないことが多いためです。

また、仕事の内容が日本語のスキルを必要としない場合でも、基本的な日本語のスキルを必須条件としている企業が多いです。外国人の場合、生活に必要な買い物をしたり、サービス業者に電話をしたり、公共交通機関を利用したりするなどのオフィス外での行動をすべてこなすのは、たとえ職場の同僚である程度手伝ってくれる人がいたとしても、大きな課題となります。例えば、自分の住んでいる町内会のルールに従ってゴミを出すことを考えてみて下さい(日本で外国人を隣人にもつ住民から寄せられる苦情で最も多いのが、ゴミの出し方です。)。従って、基本的な日本語力を身につけることが大切です。

どのくらいの日本語レベルを目標にすればいいのだろうか?

ここからが問題です。日本で就職するためには、どのくらいの日本語能力を身につけることを目標にすればいいのでしょうか。技術職の人は、日本語能力試験N3レベルをクリアすることをお勧めします。マーケティングや翻訳・通訳者など技術系以外の人は、日本語能力試験N1を保持しているのが理想ですが、最低でも日本語能力試験N2レベルを取得しておくことをお勧めします。また、日本語能力試験N4レベルで十分という企業もありますが、日本語でのコミュニケーションが難しいと面接で判断されると、不合格になることもあります。採用側がN4レベルで十分だと言うのは、実際にはこのレベルでいいというのではなく、こう書かないと採用募集人数に届かないからだということを覚えて置くべきです。そのため求職者としては、面接の最終段階である給与交渉まで自信を持って臨めるように、目標を少し高めに設定しておくことをお勧めします。

日本語の試験の種類

日本語能力試験に馴染みのない人のために、日本語力を測る試験の種類を簡単に紹介します。

インドでは2つの試験が一般的に知られており、受験することができます。日本語能力試験(以下、JLPT)とNAT-TESTです。前者は文部科学省の管轄下にあり、2018年の受験者数は100万人を超え、最も広く受け入れられている日本語試験です。後者は民間の機関が運営しており、受験者により柔軟に対応できるJLPTの代替としてベンチマークされています。

就職活動に関して言えば、JLPTとNAT-TESTの両方はどちらも広く認知され、多くの雇用者に受け入れられています。一方で、JLPTは特定の大学の入学時に正当と認められる唯一の資格であったり、あるタイプのビザ取得によっては必須となっている資格です。どちらの試験も問題形式は同じで、筆記問題はなく多肢選択問題のみとなっています。

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