日本で就職する方法:キャリアをデザインしよう

ケース1:まず日本語を学び、次に職務経験を積む

日本での就職に必要な能力は2つあり、どちらを先に取得するかは求職者によって異なります。ケース1は、商学部の卒業生のような非技術系の求職者に適していることが多いです。

日本語教室を運営している私立学校が多いため、大都市や地方の大きめの都市では日本語を学ぶことはある程度容易になっています。インドには日本語を教えている民間の学校が約500校あります。入学したら、最低でも日本語能力試験N4レベルに合格するまで勉強することをお勧めします。N5レベルの修了はあまり価値がありません。試験に合格することで、自分の成果が一生誰にでも証明できるようにしましょう。

日本語のスキルを身につけたら、次は技術系の会社でもう一つのスキルを身につけるための仕事の経験を積みましょう。日本語能力試験N4レベルは、インドの企業で「日本語のスペシャリスト」になるための最低基準です。一番良い方法は、インドの技術系の会社に日本語スペシャリストとして入社し、社内で無料で提供されているコースを受講して技術力を身につけることです。多くの大手IT企業では日本語スペシャリストのポジションを設けており、企業の福利厚生の一環として社員に無料のITスキル講座を提供していることもあります。会社が大きい場合は「社内転職」がしやすいので、技術職に転向することも可能です。

日本語の翻訳・通訳だけでなく、技術職としての実地経験を積むことができるので、この方法は非常におすすめです。運が良ければ、同じ会社で日本への異動があるかもしれません。もしそのようなチャンスがなくても、日本語能力試験N3レベルまでレベルアップしてから、日本での転職活動をしてみるのもいいでしょう(参考)。
 

ケース2:実務体験が先で、次に日本語を学ぶ

もしあなたがソフトウェア開発者や機械エンジニアなどの技術的なキャリアをすでに築き始めていて、日本就職を決意しているのであれば、日本語学習に時間を投資することは必須です。

すでにインドの日系企業で働いている方は、日本での就職の道がぐっと近くなります。富士通、NTTデータ、SONYソフトウェアなどの日本の大手IT企業では、社内に日本語コースを設けています。日本文化研修や日本人の同僚やクライアントと日々やりとりをする機会もあります。このことは採用企業に対して強いアピールポイントとなるでしょう。語学力だけでなく、日本文化への適性も日本の採用企業の隠れたチェックポイントの一つであり、早期離職のリスクを軽減することができると考えられているからです。

インドの日系企業で働いたことがなくても、日系の顧客やパートナーがいる企業でバイリンガルスペシャリストの仕事を探してみましょう。どこかの日本語学校で日本語を勉強したからといってすぐに日本で就職ができるわけではありません。なぜなら、実際に日本語を使って業務を回した経験が求められるからです。

もしあなたが機械系の出身なら、自動車業界に入るとインドに拠点を置く日系企業と仕事をする機会が十分にあります。インドや外資系の自動車部品系サプライヤーは、日系の顧客とコミュニケーションの橋渡しができるバイリンガルのエンジニアを常に探しています。そういった企業は主にデリーNCR(グルガオン、マネサール、グレーターノイダ)、チェンナイ、バンガロールなどにあります。ITエンジニアの場合、TCSやインフォシスなどの大企業や、日本からプロジェクトを受注している小規模な(多くは日本市場を専門に扱う)企業でも、日本のクライアントとコミュニケーションの橋渡しができる人材のニーズがあります。

もし、最短コースで日本に行きたいのであれば、語学留学生として日本に行くのも一つの方法です。日本の学生ビザは最長2年間の日本滞在が可能で、アルバイト(週28時間まで)をしてお小遣いを稼ぎながら実務経験を積むことも可能です。東京東部(葛西)はインド人が多く住んでいて、インドの食料品も手に入りやすいので、初心者の方にとっては日本での生活がとても楽になります。日本語学校のコース修了後はそのまますぐに就職活動ができるので、仕事選びの選択肢が広がります。留学生である期間中は、インドで積み上げてきた過去の技術経験が腐らないようにアルバイトの選択肢を活用してみるべきです(最初、ある程度日本語が通じるようになるまでは工場のライン作業のような仕事しかないかもしれませんが)。レストランのウェイターやコンビニ店員などの接客業のアルバイトは、日本語コミュニケーション能力が飛躍的に向上し、仕事でも日本のビジネスマナーを学ぶことができるので有意義です。

まとめ

上記いずれのケースも、日本での就職のチャンスを掴むまでには道のりが長いと感じるかもしれません。一番のネックは日本語の習得であり、簡単ではありません。しかし、すでに挙げた2つの必須スキルを磨けば、日本で就職できる可能性が高くなります。アメリカやイギリスなどの英語圏の転職市場では、就職内定を得ることが必ずしもビザ取得を約束するものではないかもしれませんが、日本の企業や政府は、日本語能力が一定基準を満たしてさえいれば、優秀な人材を歓迎してくれます。

日本は世界第3位の経済大国で、失業率は2.2%(2019年)です。不足する20万人分のIT人材を埋める必要性が急務で、2030年にはこれが80万人分にまで膨れ上がります(出典:経済産業省報告書2016)。世界で最も急速に高齢化が進んでいる国の一つである日本では、自動化やロボット工学の分野で経験を積む機会は非常に価値があります。何か新しいことを始めるのに遅すぎることはないと信じられるかどうかは、あなた次第です。

(原文) How to get a job in Japan: design your career https://eijcareer.in/resources/how-to-get-a-job-in-japan-design-your-career/
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