日本はインド人にとって住みやすい国なのか?

(この記事は、日本で働くことを目指すインド人のための就職エージェントEIJ Careerのウェブサイトに掲載された記事を和訳したものです。)

この記事を読んでいる皆様の中には、日本の文化や歴史が好きで日本で働きたいという夢を持っている人もいれば、キャリアアップのための選択肢として日本で働きたいという人もいるでしょう。あなたの主な動機が何であれ、日本人がインド人をマクロなスケールでどのように見ているかを知っておく必要があります。日本での生活を始めると、日本人との交流のたびに、自分がインド人であることを実感し、自分がインド人の代表として国旗を背負っていることにすぐに気づくでしょう。そのため、海外生活で感じる不安や怒り、その他のストレスを軽減するためにも、インドと日本の国同士の関係を知ることはとても重要です。

日本人はもともと、外国人とシームレスに交流することにあまり慣れていません。しかしそれは単に、これまで外国人と交流する機会が限定的だったからです(状況は急速に変化していますが)。日本で生活する知人の中には、日本人から冷たい・意地悪な扱いを受けたことがあるという話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、もっと大きな視点で見ると、インドと日本との関係は古くから密接であり、特に近年では両国はこれまでにないほど親密な関係になろうとしています。

ハードファクト:経済的な繋がり

インドは日本の政府開発援助(ODA)の最大の受益国であることをご存知でしょうか。デリー地下鉄、デリー市営水道パイプライン、デリー・ムンバイ産業回廊、そして最近の新幹線プロジェクトなどは、すべて日本政府との技術的・財政的な協力関係の上に成り立っています。インドには巨大なインフラ需要があり、日本にはその必要な技術と輸出意欲があります。

外交面では、インドと日本は、共通のライバルである中国を牽制するために関係を強化しています。共同軍事演習は、両国間の強い繋がりを国際社会にアピールしている事例の一つです。

ソフトファクト:歴史的な絆

日本は仏教国です。現代のインドでは仏教はヒンドゥー教にその圧倒的な立場を譲り渡してしまいましたが、日本人はインドに対し、仏教誕生の地として常に尊敬の念を抱いて来ました。第二次世界大戦中、日本政府がネタジ(スバス・チャンドラ・ボース)を支援し、植民地支配者であった大英帝国軍とともに戦ったことはよく知られています。日本が敗戦し、東京裁判で日本に戦争犯罪の有罪判決が下されたとき、インド人判事であるラダ・ビノード・パール氏だけが有罪判決に反対し、日本は無罪であると主張しました。日本政府はその感謝の気持ちから、戦没者を神として祀る靖国神社と皇居のすぐ近くにインド大使館のための土地を提供したと言われています。  

最近の動き

国同士のレベルで見ると、インドと日本が仲良くする理由は尽きません。この二国間の良好な外交関係があなたの生活にどのような影響を与えるかは、近年のインド人に対する日本入国ビザの規制緩和に見ることができます(参考までに)。ここ数年、モディ首相と安倍首相の親密な関係のおかげで、インド人の就労ビザも以前に比べて格段に取得が容易になりました。国境を越えてキャリアの選択肢を探すのは、とても個人的なことに聞こえるかもしれません。しかし、あなたの人生に良い意味でも悪い意味でも影響を与える二国間レベルの関係性にすぐに気付き、意識を向けるようになるでしょう。

〔原文〕
Is Japan a friendly country to live for Indians?
https://eijcareer.in/resources/is-japan-a-friendly-country-to-live-for-indians/
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