インドのIT企業は日本でどのぐらい健闘しているのか

インド系IT企業の存在感が高まり始めた



オフショアサイトに高いスキルを持ったIT人材が豊富にいることは、インドのITサービスベンダーの最大の魅力であり、残念ながらこれまで日本企業にはあまり活用されていませんでした。しかし、ここ2~3年で状況は変わり始めています。長年の努力の末、ようやくインドの IT 企業が日本市場で認知され、ゆっくりと採用されるようになってきたのです。この変化の背景にはいくつかのきっかけがあります。

最も大きな理由は、日本における労働力の縮小傾向であり、特にIT分野における人材不足が挙げられます。2017年に発表されたガートナーのレポートによると、日本では80%以上の企業が組織内のITリソースが不足していると答えており、そのうちの20%は少なくとも今より1.5倍以上のITリソースが必要だと答えています。2020年末までに、日本のIT業界全体では30万人以上のエンジニアが不足すると予測されています。また、同調査によると、オフショア開発を実践している企業の5割以上が、コスト削減のためではなく、人員不足を埋めるために行っているといいます。

チャイナリスクがもう一つの引き金となっています。中国が経済大国として台頭し、安価な労働力の中心地とは考えられなくなってきていることに加え、米中貿易摩擦が激化している中で起きた最近のファーウェイショックによって、日本はセキュリティ侵害リスクを恐れて中国のIT企業との取引を敬遠し始めています。

中国リスクを回避するなら、ベトナム、タイ、フィリピンなどの国も好ましい選択肢かもしれませんが、データセキュリティやコンプライアンスのガイドラインが最も厳しく守られている欧米市場で十分な訓練を受けたインド系のITベンダーは、 リスクを取ることを嫌う日本企業からの信頼を高めているようです。

まとめ

高齢化による人手不足はあらゆる産業に影響を与えていますが、日本人の間では「低賃金で残業が多い」と思われているIT分野が最も人手確保に苦労しています。すでに多くの中小企業では、IT人材が確保できない状況に直面しています。ITサービスを利用するために海外に目を向けている企業は、従来はコスト面でのメリットを求めていましたが、今ではむしろ人員不足を解消するためにITベンダーを探す必要性が高まっています。

米中貿易摩擦は日本の対中貿易関係にも影響を与えています。日本企業が中国を避け始めた主な理由は、コストの上昇とセキュリティリスクです。ポスト中国の選択肢を模索し始めた日本企業が増えたことで、インドのIT企業も魅力的なパートナーとして注目されるようになってきました。

しかし、インドの企業が日本市場に進出するために取り組むべき最後の課題は、インドと日本のコミュニケーションの架け橋となるIT人材の確保です。1990年代後半から2000年代前半に日本市場に参入した企業の中には、日本とインドの文化の違いを緩衝できるバイリンガルのブリッジエンジニアを数多く育成してきた企業もありますが、その数は圧倒的に不足しています。企業の中には、社内に研修施設を設けてバイリンガル技術者を育成しているところもあります。日本市場での最終的な成功は、バイリンガルエンジニアの質と量にかかっています。

(原文)
How are Indian IT companies faring in Japan?
https://eijcareer.in/resources/how-are-indian-it-companies-faring-in-japan/
 
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