インド:中国資本の入るアプリ、ユーザーの怒りを買う

ボイコット運動
【バンガロール】中国資本が入るインドの代表的な消費者向けユニコーン企業であるPaytm、Ola、Zomato、MakeMyTripなどが、消費者の怒りに直面している。中国とのつながりを理由に、ユーザーはGoogleプレイストアで、アプリのネガティブ評価を投稿する動きに出ている。しかし専門家は、スマートフォンのようなハードウェア製品を切り捨てるのは難しいと感じている。

これらのスマホアプリには、ここ1週間で多くのユーザーコメントが投稿され、最低の評価をつけられている。これらのアプリにはテンセントやアリババ、Ctripなど、中国の大手インターネット企業が出資しているためだ。一部のユーザーはアプリをアンインストールさえしている。しかし興味深いことに、これらの企業はすべてインド人起業家によってインドから運営されている。

アプリのネガティブ評価による攻撃は、全体的なアプリ評価に大きな影響を及ぼしてはいない。しかし今回の動きは、北部ラダック地域で起きた中印軍の衝突でインド兵士20人が死亡したことを受け、消費者の間で反中感情が高まっていることを示している。インドでシェアの高い小米やVivoのようなスマホメーカーや、その他の電子機器などの中国製品は、今週始まるサマーセールでは主役の座に躍り出る存在だ。Flipkartなどの大手Eコマースサイトでは、新型コロナの発生以来初めてとなるオンラインセールが始まる。

例えば、1-3月期の時点では、小米やVivo、Oppoなどの中国ブランドスマホの市場シェアは合わせて73%であった。小米、Vivo、OnePlus、Paytm、Zomato、Ola、MakeMyTripは、今回の取材に対するコメントを控えた。その他の企業にもメールで取材を試みたが、回答は一切得られていない。  

CounterpointのシニアリサーチアナリストであるPrachir Singh氏は、反中感情が高まっている間はサムスンのようなブランドにとっては新たなビジネスチャンスをもたらすだろうという。しかし、低~中価格帯のスマートフォンを購入する消費者にとって、選択肢はそれほど多くはないという。「スマホからアプリを消すのはスマホを捨てるより簡単だ。この(スマホ)市場は中国勢が牛耳っているため、スマートウォッチなどの製品に比べると消費者が取れる代替オプションは非常に少ない」とSingh氏は述べる。

実際、Flipkartが展開するプライベートブランドのSmartBuy、MarQ、Miss&Chiefなども、その製品であるデジタルガジェットや洗濯機、玩具などは中国製だと、同サイトの製品の説明ページに書いてある。アマゾンインディアでも、同社の主力プライベートブランドであるAmazonBasicsと並んで 、小米、OnePlus、Vivoなどのスマホやその関連アクセサリが一押し商品として表示されている。AmazonBasicsも、ほぼ全てのカテゴリで販売されているその製品は中国製で、他のブランドよりも目立つ手ごろな価格で販売されている。

OnePlusは先週木曜日、アマゾンインディア上で同製品の完売御礼イベントを実施した。Myntraでも、現在行っているセールの対象商品には中国製のものが混じっている。携帯電話やスマートテレビ、モバイルバッテリー、ヘッドフォンなどの製品群で中国製品が浸透していることの表れだ。人々はウェブ上で怒りを露わにし、一部のグループが日曜日、グレーターノイダにあるOppoのオフィスの前で抗議活動を行う様子も報道された。しかし、ブランドの専門家やアナリストによると、直接的な攻撃対象となるのは他国製より安価な中国製のハードウェア製品ではなく、アンインストールが可能な消費者向けアプリに集中するだろうという。  

「今回の印中間のにらみ合いは間違いなく、インドで広く使われている多くの中国系ブランドやアプリに影響を与えるだろう。こうした動きは、強い反中的なうたい文句とメディアの報道に触発された側面がある。中国のスマホメーカーを避けるよう求める声は、特に手ごろな価格帯の代替ブランドが揃うカテゴリにおいて特に勢いを増しているようだ。同じ動きがアプリにも見られる。多くのユーザーが中国系のアプリを代替オプションと替えようとしている。たちが悪いケースでは、わざわざこのようなアプリにネガティブな評価やコメントを書き込んでいる」と、ビジネスストラテジストでありマーケッターでもあるLloyd Mathias氏は語る。歴史的に見ても、このような特定の国を対象にしたボイコットは短期的な動きに終わることが多く、恒久的な購買行動に影響を与えることはないと同氏は付け加えた。    

[参考元]
THE TIMES OF INDIA
Apps with Chinese funds face users'ire
「生活」記事一覧へ

関連記事