インドの5つ星ホテル、企業所在地に

インドの5つ星ホテル
【チェンナイ】新型コロナの感染拡大によって出張もレジャーも需要がなくなってしまった中、インドの高級ホテルは法人顧客をターゲットに不況を乗り越えようとしている。

マリオットやノボテル、Ibisなどのホテルチェーンは大企業をターゲットに、オフィスレンタルの収入を得ようとしている。このようなオファーでは、パーティー会場、客室、ビジネスセンターやその他のスペースがオフィスとして契約できるほか、セキュリティやWi-Fi環境、ハウスキーピング、衛生管理、飲食の提供もサービスに含まれる。しかし最大のうまみは、手ごろな賃貸料金と、3~6ヶ月間や1~2年間などのフレキシブルな契約体系にある。ロックイン(解約不可)期間の設定や頭金の要求もない。

トヨタは現在、ムンバイとコルカタにてオフィススペースを借りようと、マリオットとノボテルと交渉している。バンガロールでも同様のパッケージを検討中だ。

「トヨタを含む複数の自動車メーカーやIT企業と商談中だ。一般的に、プロジェクト主導型の企業は短期間のオフィススペースを必要とし、このようなオファーに関心を示す。企業は長期の賃貸契約には興味がない。3~6ヶ月または1~2年の期間で、ロックインのないフレキシブルな契約を探しているため、これらのパッケージが魅力的に映るようだ 」と、マリオット・インターナショナル南アジアのの営業・流通担当シニア・エリアディレクターであるRohan Sable氏は述べる。

ホテルはそれぞれの立地に適したパッケージをカスタマイズしている。「我々のホテルは、スタートアップや柔軟なオフィスカルチャーを持つテック企業に囲まれている。チェンナイのホテルでは現在、3ヶ月、6ヶ月、または11ヶ月の宴会場スペースのレンタルというフレックス型レンタルオファーのみに注力している」と同氏は語る。  

企業側によると、このような高級ホテルのオフィススペースレンタルは40%も安く、付帯サービスまで付いてくるという。3~4か所の支社をホテルの敷地内に移転するだけで、ある法人顧客はなんと毎月500万ルピーもコストを削減できたという。その上、付帯サービスまである。

トヨタキルロスカモーターの販売・サービス担当シニアバイスプレジデントを務めるNaveen Soni氏は、「当社は現在、複数拠点の支社をホテル内に移転する交渉を進めている」と述べた。

「お茶やコーヒーの提供は一般的に契約に含まれる。そのほかにも、ホテルの各種サービスを割引価格にて提供している。清掃と衛生管理サービスを提供する体制が整っており、ホテルの入場者に対しては体温チェックを実施する。マスクや体温計は、利用するお客様のご要望に応じていつでも提供できる」と言うのは、ノボテル・コルカタのゼネラルマネージャーSandeep Johri氏。

このオフィストレンド は、大都市のクリーミーな優良企業層に限った話ではない。例えばIbisホテルは、同社が運営する19件のホテルのある 、地方中小都市を含めた13都市すべてにおいて、このオフィスサービスを提供している。

「私たちは、従来のオフィス環境にあるすべてのアメニティを備えた代替オフィスソリューションを提供している。起業家から小規模スタートアップ、大企業まで、あらゆる規模のビジネスのニーズに対応している」と、Ibis/Ibis Styles Indiaの運営責任者であるSylvan Laroche氏は述べる。マリオットのThakur 氏も同じく、「中価格帯のホテルがある地方都市でも、同様のオファーを提案している」という。

Eicherなどの企業が、現地スタッフの在宅勤務への切り替えを理由に一部の支店を閉鎖すると発表している。ホテルにとって、これは生き残りをかけた命綱だ。

現在の状況では、レジャー需要は過去最低の水準に落ち込んでいる。短期および長期のオフィススペース賃貸契約を提案するため、我々から企業にも積極的にアプローチしている」とノボテル・コルカタのJohri氏は述べる。    

[参考元]
THE TIMES OF INDIA
Companies have a new office address : 5 - star hotels
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